結束バンドは、紐やクラフトテープなどと同じように手軽に使えるうえ、耐久性に優れた製品として人気があります。何かを縛ったり束ねたりするのが主たる用途ですが、その状態を長期間にわたってキープすることができます。結束バンドが耐久性に優れているのは、その構造に理由があります。本体は樹脂製の細長いバンドですが、その先端にヘッドが付いていて、このヘッドは、洋服のベルトに付いているバックルを同じような構造をしています。
そしてバンドの表面には、小さな穴もしくは突起が縦に並んでいます。バンド部分で輪を作り、その尾の部分をヘッドに通すと、ヘッドの中にあるツメが穴または突起に引っかかり、元に戻らなくなります。これによって、輪が作られた状態をずっと保つことができます。紐やテープと比べると、ほどけたりゆるんだりするリスクが低減されます。
結束バンドはもともと電気工事の際に、電源ケーブルを束ねたり縛って固定したりするのに使われていました。ヘッドが先に述べたような特殊な構造をしているので、結び目を作ったりする必要がなく、片手でも簡単に作業できるのが大きなメリットでした。近年では家庭やオフィスでも見かけるようになり、家電製品やOA機器のケーブルをひとまとめにしたり、配線レールの中に納めたりする際に利用されています。文具店などで売られている製品は白色が基本ですが、カラーバリエーションが豊富なタイプもあるので、配線を区別する際の目印にも使えます。